正しい言葉遣いマニュアル
変換ミスの多い言葉や、使い分けがややこしい漢字などについての解説です。
制作・校正・検版等に役立つ情報をご紹介します。
「上げる」は下げる(下がる)の対語で
「下から上へ移す」「低いものを高くする」という意味で
「効率を上げる」「荷物を持ち上げる」というように使われます。
「挙げる」は「手を高くあげる」「事を行う」という意味で
「手を挙げる」「結婚式を挙げる」等、物事をはっきり分かるように示す時に使います。
「揚げる」は「かかげる」「浮かべる」という意味で
「たこを揚げる」「天ぷらを揚げる」というような使い方をします。
「特殊」とは
「性質や内容が他と著しく異なること」いう意味で今までとは全く違い一緒にできない様子のこと。
「ある目的専用や、ある内容専用」という意味で機能や用途、目的などが限定されていること。
「ある限られた範囲のものにしか適用されないこと」という意味で理論や法則など、当てはまる範囲が限定されること。
上記に共通するのは「他とは全く異なる」ということです。
「特別」とは
「他との間に際立った区別があること」という意味で他と比べて明らかに扱いが違っている様子。
「性質や状態などがとりわけ目立っていること」という意味で他とははっきり区別されること。
「これといって」という意味で「特別○○ない」として使われます。
上記に共通するのは「はっきり区別される」ということです。
【まとめ】
特殊→他のものとは全く違い一緒にできないこと
特別→他と比べて明らかにはっきりした区別があること
漢字の「長い」と「永い」の使い分けは
時間のことなのか、時間以外のことなのかで分けられます。
時間以外の「長い髪」「長い道」など、空間的に端から端までの隔たりが大きいことや
「気が長い」「長い目で見る」「息の長い」など、抽象的な表現には「長い」を用います。
「長年」と「永年」、「長い年月」と「永い年月」、「長らく」と「永らく」など
時間的表現にはどちらも使いますが、「長い」は単にながい時間を表し
「永い」はいつまでも続く永続的・永遠的なとこを表します。
「永い」は永続的な表現のため「末長いお付き合い」と書くよりも
「末永いお付き合い」と書いた方が、いつまでもお付き合いしたいという印象を与えます。
また、永遠的なことを表すため「永い眠りにつく」など
死に関する表現にも「永い」は用いられます。
春の季語の「ひなが」と秋の季語の「よなが」は、同じような時間の長さを表す言葉ですが
春は「春の日永」、秋は「秋の夜長」というように、慣用句として使い分けが決まっているものもあります。
1、IT(アイティー)
「Information Technology」の略で、日本語では「情報技術」と訳されています。
アメリカ情報工学協会では
「コンピュータをベースとした情報システム、特にアプリケーションソフトウェアやハードなどの研究
デザイン、開発、インプリメンテーション、サポートあるいはマネジメント」と定義されていますが
分かりやすくいうと
「世の中のさまざまな伝統的なやり方を、コンピュータとネットワークで変えていく行為」のことです。
2、AI(エーアイ)
「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と訳されています。
本来の意味は
「人間が脳で行っている知的作業をコンピュータで人工的に模倣するための概念や技術」と定義されていますが
もう少し簡単に説明すると
「コンピュータで人間の脳と似たような働きをするシステムを作る技術」などをAIと呼びます。
3、SNS(エスエヌエス)
「Social Networking Service」の略で、日本語では「会員制交流サイト」と訳されています。
代表的なSNSには下記のようなものがあります。
・ツイッター
・フェイスブック
・インスタグラム
・ライン
どちらも「量が多い」ということを示す言葉ですが
「多い」と「大きい」では意味が違います
「多量」は、数値であらわすことができる場合に使います。
例 出血多量、多量の睡眠薬
「大量」は、数値であらわすことができない(困難)な場合に使います。
例:大量の移民がおしよせる、大量の商品
つまり、「多量」は数値の概念であり、「大量」は形状の概念ということです。
「多量」と「大量」の使い方には十分注意しましょう。
ステッカーは、裏にのりがつけられている紙片という意味があり英語では「sticker」と表記されます。
「stick」とは「貼る」や「くっつく」という意味で、粘着力があることを表しています。
ステッカーは雨や風にさらされてもはがれにくく、日光による日焼けや色落ちにも強い性質があるため
屋外にあるものに貼り付けて使用されることが多いです。
シールは英語の「seal」のことで、封印や印章という意味をもっています。
シールは、手紙や容器などが開かないように固定し保護する役割を果たします。
現在では、のりがついている紙片を広くシールと表現しています。
ラベルは英語の「label」のことで。中身が何であるかを表示するためのものです。
ラベルには、レッテル・はり紙・荷札などの意味があります。
中身が見えない箱や嚢にラベルを貼り付けると、開封しなくても中身の識別が可能です。
ラベルには情報を表示するという役割があるため、食品の原材料名や賞味期限などの情報を
表示するために使用する場合もあります。
どちらも温度が高いことを表す言葉ですが
基本的には気温に対しては「暑い」を使い
気温以外の物の温度や体温については「熱い」を使います。
また、「熱い」には感情が高まっているという意味もあります。
「暑い」の使用例
・今年の夏は暑い日が続いている
・部屋の中が暑い
・今日は日差しが強くて暑い
「熱い」の使用例
・熱いお茶を飲む
・日差しが強くて体中が熱い
・熱い声援
同じ「あつい」でも使い方、変換ミスには注意しましょう。
「措置」は「解決をつけるためにとりはからうこと」という意味です。
「措」には「おく。すえおく。とりはからう」などの意味があります。
「置」には「おく」という意味はもちろんのこと「しまつする」という意味もあります。
「措置」はそれぞれの漢字の意味からも「とりはからって、しまつする」となり
初めから最後まで必要な手続きを行い、物事を始末するという意味になります。
また、物事が起こる前の対応についても使う言葉で
「事前に対処する」という意味で使うこともあります。
「処置」は「状況などを勘案して扱いを決めること」や
「傷や病気の手当てをすること」という意味です。
「処」は「とりはからう。ところ。いる。おく」などの意味がある漢字ですが
この場合は「とりはからう」の意味で使われています。
「置」は「措置」と同じ意味なので
「処置」は「状況に応じて扱いを決める」という意味の言葉で
「措置」のように必ずしも最後まで対処するとは限りません。
また、物事が起こってから行う対応のことを指しますので
この点も「措置」とは違ってきます。
「措置」と「処置」使い方には十分注意しましょう。
まず事実とは、実際に起こったこと、現実に存在するこで
誰がどう見ても変わりようのない事柄のことを指します。
つまり事実というのは、ひとつしか存在しないということになります。
それに対し真実とは、嘘偽りのないこと、本当のこと指します。
そして真実というのは、その事柄に対していくつもの解釈が存在します。
つまり真実はひとつだけではないということです。
【参考例】
Aさんはスーパーで50円のリンゴを1個買い家に持ち帰って食べました。
Aさんはそのリンゴを食べて「とても甘い」と感じました。
1行目は実際に起こったことなので「事実」
そのリンゴは「とても甘い」はAさんが感じた本当のことですが
Bさんは「酸味があってすっぱい」と感じるかもしれません。
つまり2行目は複数の本当が存在するので「真実」ということになります。
「事実」と「真実」
どちらも嘘偽りのないことを指しますが
「事実」は実際に起こった嘘偽りのない事柄
「真実」は事実に対する偽りのない解釈ということになります。
「事実」と「真実」その意味を理解して上手に使い分けましょう。
注意の「注」は「そそぐ」と読みます。
「そそぐ」とは液体などを1か所や1点に流し込む時に使います。
そして「意」は「意識(気持ち)」という意味で使われます。
そのため「注意」とは「意識を1か所や1点に集中して流し込む」ことで
具体的な物事、特定の対象に神経を集中させること、用心することを意味します。
留意の「留」は「とどめる」と読みます。
「とどめる」には複数の意味がありますが
この場合は「意識して記憶に残す」という意味です。
「意」は注意と同じく「意識(気持ち)」と言い身なので
「留意」とは「気をつけたい事柄などを意識し心にとどめておくこと。常に気を付けること」
という意味になります。
より気を付けてほしいことや警戒してほしい時は「注意」で強調しそこまで気を付ける必要はないけれど覚えておいてほしい時は「留意」と覚え上手に使い分けましょう。
「結果」とは、何かを行ったり、何かが起こった後に、どんな状況・状態になったか、目標を達成したり基準を満たすことができたかどうかという「最後の状況・状態」を指す言葉です。
結果は必ずしも良い物とは限らず、悪いものも存在します。
また、その結果に至るまでの経過は含まれず、あくまでも最終の状態のみを見て判断
されます。
それに対し「成果」は、何かを行ったことによって現れた行動と因果関係がある
主に良い結果もしくは最終地点にたどり着くまでに得られた良いことの事です。
つまり成果は、最終的に得ることができたものに対し良い物であったというだけでなくその経過も含まれる場合があります。
そのため、だれが見ても明確なものであると一概には言えず
見る人によって異なるものが「成果」と言えます。
「結果」と「成果」、意味の違いを理解し上手に使い分けましょう
